時効はとっくになくなっていた

上映中の映画、「22年目の告白 ー私が殺人犯ですー 」を観てきました。

原作が韓国ということには目をつぶり、今期日本映画ではかなりの力作ではないでしょうか。最後までハラハラドキドキ目の離せない作品でした。(エグいシーンもあるのでそういうのが苦手な方にはちょっとムリかも・・)

 

この映画は殺人罪の「時効」が一つのキーワードになっています。

当初、殺人罪の時効は15年でしたが、2007年の改正によって25年に延長されました。さらに2010年の改正で重大犯罪の時効は撤廃されました。

時効を設けていたそもそもの理由は、時間の経過とともに証拠が散逸してしまい冤罪のおそれが増える(アリバイ主張も困難になる)、処罰感情が希薄化する、犯人が 社会生活を送って一定の人間関係等を築いてきた事実状態を尊重する必要が出てくること、だそうです。

しかしながら、どんな理由があったとしても時効がくれば無罪放免では、遺族は納得がいくはずがありません。いや、遺族に限らず逃げ得なんて「ふっざけんな」って話ですよ。そういった配慮をもとに撤廃されたわけです。

 

今から2年前の2015年にある事件の判決が下されました。
1997年、三重県で男性が殺害され現金160万円を奪われました。その犯人は事件から16年後の2013年に逮捕・起訴されます。当時の時効は15年ですので、2012年には時効が成立していることになります。しかしながら最高裁では、「時効の廃止や延長によって、犯罪行為の違法性の評価や責任の重さが変更されるわけではない」として退け、無期懲役としました。

法学部出身の方はあれ?っと思ったかもしれません。法律は原則、遡及処罰を禁止しているからです。もちろん被告人もそれを主張しました。
しかし、2010年の改正で時効を廃止した時点では、被告人の時効は完結していないのだから改正後の法律を適用すると最高裁は判断をしたわけです。若干の無理やり感は否めませんが、それでも殺人を犯す人間を保護するわけにはいかない、という姿勢を明確化する必要があったのでしょう。

 

殺人罪は絶対に許せないことだし、最高裁の判断はごもっともだと思います。
でもね、もしこれが冤罪だったとしたらゾッとしますけど。。